物理教育実践交流会
日 時:4月8日(土) 14:00〜17:00ごろ
場 所:札幌北高校(物理実験室)
参加者は以下の10名の方でした。
佐藤 健(札幌啓成)、張 平(北海道大学)、三浦 麻美、石川 真尚(札幌稲西)、長谷川 誠(千歳科学技術大学)、今野 滋(北海道大学非常勤)、宮嶋 衛次(札幌北)、今野 博行(札幌北)、原田 雅之(札幌北)、菅原 陽(小樽工業)
凹面鏡で実像を見せるための効果的な方法はないだろうかと、平成元年くらいの話ですが、僕の友達で当時東京の私立高校に勤めていた久津美清巳君と一緒に考えて作ったものです。LEDを光らせておくと、鏡面に映ったLEDの光軸上に薄い紙をおいたとき光が本当に当たるので、実像であるということが、分かりやすいのではないかと思います。
以下、久津美君の苦労話など
凹面鏡自体は当時大きなものは市販されておらず、久津美君がどこかにあった保安用の「凸面鏡」の裏に、製造元が書いてあるのを発見し、その会社「コミー工芸(板橋)」に乗り込んで「凹面鏡は作れませんか?」と頼み込んで4つ作ったうちの一つが、小さいほう(直径30cm)です。真空蒸着させるとき、ひとつだけだとアルミが周囲に飛んで行ってしまうので、かならず複数つくらないといけないとのことで、彼は僕からの二万円を含めて八万円はたきましたが、ちゃんと売りさばいたみたいです。
大きい方は、私が北高に転勤した年(平成13年)にたまたま理振があたり、原田先生の応援を得て、久津美君に発注先を聞きだすなどして作ってもらったものです。(発注先は、練馬理化器製作所 [] で、武山商事経由)注文したのは直径70cm厚さ3mmのもので、見積書には 105,000円となっていました。やはり初めは「2個セットで」と言われましたが、「他のも売れるだろう」とのことで、1個だけでも売ってくれました。ちなみに直径が1mのものは厚さが5mmになり、2個で30万の見積もりでした。
もとは黒板の左端から右端までの演示だったものを、巨大化する際、 最終的にのらねこさん風になってしまったものです。 最初は、気化させたメタノールが発火する勢いで飛ばしていましたが、 飛距離が安定しないことと、銃刀法に触れるのではないかと考え、 ブロワー式にしました。
※筒の先端の針金がスイッチになっています。
旧課程の問題集「センサー物理IB」に載っていた問題の挿絵を 硬質の発泡スチロールをつかって立体的にしたものです。 問題文をそのまま鵜呑みにするとモーメントの式を数本立てなくては なりませんが、全体的な特徴が分かると、簡単な補助線だけで解けて しまうことを示せます。 硬質発泡スチロールを使うと、「質量が無視できる」状態が に近づけられるほか、ほんの数分で加工できるので便利です。
ワープロソフトでサインカーブを作って紙に印刷し、硬質の発泡スチロール の板に貼り付けて切り取ったものと、6ミリ径の丸材を鉄格子風にならべて、 ピンポンだまをはめ込んだものです。年に一度しか使いません。
これも問題集にあったものを春期講習の始まる20分前に思い立って 作ったものです。発泡スチロール類は常に用意してあります。 (ただし自費ですが)
硬質の発泡スチロール工作が話題になったので、掘り出してきました。 以前に西高の伊藤先生が実演していたものを真似して作ったものです。
青と赤の電球が直列につながれており、青のスイッチと 赤のスイッチによってそれぞれの電球が独立して点灯、 消灯します。原理は・・・・・考えてみてください。
2002年の1月にフィラデルフィアで行われたAAPTの大会で、 Creighton 大学のTomas H. Zepf 教授の講座に参加したとき、 紹介してくれたものです。Mysterious Circuitsという名前で 何種類か見せてくれましたが、原理は共通していました。 材料をもらって帰ったので、早速作って見たのがこれです。
一応、物理1までの範囲で説明出来ますが、 もっぱら卒業生が遊びに来たときに見せるだけです。 原理を自分で考えたいと思うので、説明はしていません。
ヒドロキシプロピルセルロース2gに対し水を混ぜると、液晶ができます。ディスプレイに使えるものではありませんが。水の質量を1.0、1.2、1.4、1.7gと変えて、いろいろな濃度の液晶を作ると、いろいろな色の液晶ができて綺麗です。色は濃度が薄いほど赤、濃いほど青になっていきます。また温度が高い方が赤、低い方が青なので、ドライヤーなどで温度変化による色の変化も見ることができます。
色がつく理由はいろいろ考えられますが、透過した光を裏から見ると着色してないので吸収によって補色が見えるものではありません。すると反射になりますが、回折格子、ブラッグ反射の2通りになります。どちらの場合も状態によって分子間の距離が離れていれば赤、近寄っていれば青というのは共通です。しかし観察によると、反射は表面のみの反射のように見えるので、物質内部でも反射するブラッグ反射ではないように見えます。しかし回折格子だと、何が一体回折格子の役割をしているのかという話になってこれまた謎めいてきます。結論は文献によればブラッグ反射だそうです。この分子は内部に行くにつれ次第に螺旋状に、向きを変えており、内部はいろんな光が反射干渉し白く見えるが、表面は特定の色の光が干渉し、色が付いて見えるのだそうです。ブラッグ反射の具体例は高校ではあまり話にできる材料はなかったので、結構いい材料になる可能性があるのではと思います。
BANDAI社製。 スペースワープはアームで固定された2本のレールをボールが転がってゆく大人向けの玩具です。原理は単純ですが、遊園地のジェットコースターのようにレールを立体的に配置することがなかなか知的であり、根気(少なくとも私には)のいるところから対象年齢が15歳以上となっています。
円運動で遠心力と重力、垂直抗力のことを扱う垂直な円形のループを作るには最適です。
重量区直径約3.5mmの柔らかさのあるプラスチック製のレールを2本、専用のアームに固定すると各レールの中心間隔10.5mmのミニチュア鉄道のような2本のレールができます。このレールで直径約200mmのループをつくり、専用の土台(ベース)に立てた柱(シャフト)に固定するだけです。
この2本のレール上に鉄球(直径約12mm)を乗せ転がり落ちていかせます。垂直なループを転がる鉄球がレールから離れることなく1回転できるか否かは、鉄球の転がり始める位置(高さ)によって決まることを示すことができます。
3500,5000,10000の3シリーズがあります。数字が大きいほど、より複雑な構成が可能ですが、ループを作るだけなら3500で十分でしょう。札幌では「トイザらス」や「ロフト」で扱っていました。
(光るアンテナで電界速度を測る)
簡易な電波受信素子(以降「光るアンテナ」と記す)を作製して、携帯電話やPHSを電波発信源とする受信強度を測定することができる。これらの実験は本校科学部生徒とともに行った。その測定の工夫の変遷と、アンテナの種類による測定の例や水の影響等を実験・考察した。さらに、はんだを使わずに受信素子を作製する工夫を紹介する。デジタルマルチメータがあれば、その周辺のノイズ対策を施し電波受信強度を数値測定できる。
こちらについては論文でグラフなどを詳しく見る方が分かり易いので、ファイルをご覧下さい。
以上です
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